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つとみや あかつき
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創作倉庫。 基本的に手ブロ創作企画関係を収納してます。 初めましてのかたはカテゴリ「はじめに」をどうぞ。
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クラウディオの使い魔とその能力の話。



お借りしたお子さん(名前のみ含む)
・古杉さん宅キジョウさん
・ほおさん宅マカラインくん、メルフィスさん
・紫祈さん宅ナイトくん、ヴィオラ姫さま
・はちの瓶詰めさん宅ローザちゃん
・やきそばさん宅イザナギ様



「…はぁ」

面倒な仕事を任されちゃったなぁ。
小さなぼやきを胸のうちに納めて、代わりに深くローブを被りなおす。
それもこれもキジョウ参謀に使い魔の能力を話してしまったせいだけれど、そもそもどうしてあの人は知らなかったんだろう。
僕、何度かやってるのに。

「新入り!何してる!」
「、すみませんッ」

ああもう、怒られたし。
良いんだけどね、どうせもうすぐこいつら死ぬんだしっ。
…状況を説明すると、今僕は赤軍内にいる。
どこの小隊だか知らないけれど、人員を裂くのが難しいからお前行ってこいと参謀に告げられた。
僕の使い魔はどの程度の規模までなら死を招くことが出来るのか知りたいというのもあるのだと思う。

(それでェ?いつやるのォ?)
「…静かにしててよ、フレイム」
(ディオ以外には聞こえないようにしてるよォ)
(そうそう、ディオこそ独り言聞かれないようにしろよ!)
(ちょっとォロストうるさァい)
(静かにしてくれないかお前達)
「…3人ともうるさいよ…僕の耳元で喧嘩しないでよ…」
(ごめェん)
(それで、いつ行動を起こす?フレイムの疑問は尤もだろう)
「もうそろそろ、だよ」

そう。
もう少し。
後少しすればここから出られる。
まぁその前に苦しむことになるけれど、それは仕方ない。
イザナギ様のため、ヴィオラ姫様のためと思えば別に構わないし。

「作戦開始まで、あと1分」
(了解した。私がカウントしよう)
(10秒前になったら言ってねェディケイ)
(カウントダウンしねーとな!)
(…馬鹿か、お前達は?)
「どっちでも良いから静かにしてってば…」

だいたい、向こうの声は周りに聞こえないのに僕の声は聞こえるのは不公平だよ。
おかげで僕の独り言みたいに思われてしまうし。
…怪しまれて、ないよね?

「大丈夫…かな」

そっと周りを窺っても特に変化はない。
本当に呑気な奴ら。
敵軍が攻めてきていないからって、安全な訳ではないのに。
なにしろ僕の使い魔はある意味で軍隊よりも危険なんだから。

(10秒前、8、7、6、)
((5、4、3、2、1、))
「…散らせ、毒蛇」

ローブの裾が少しだけ揺れる。
僕を中心にして広がるのは無色無臭、味すらもない猛毒だ。
赤軍の奴らは風が肌を撫でた程度にしか感じないだろう。
けれどもそのひと撫でが、致命傷になる。
皮膚から染み込む毒は一気に体を巡り、タイムラグの後に彼等を死に至らしめるのだ。
タイムラグというのは、僕が死ぬことが契機になるから。

「…ぅ…ぐ」
「おい、どうした?」

真ん中にいる僕は当然毒を浴びている。
というか、毒をばらまいている蛇は僕のすぐ近くにいるんだから当たり前のことだ。
身体を蝕む猛毒はいつだって容赦がない。
堪らず呻きを漏らすと周りの奴らが声をかけてくる。
僕はそれに答えない。
僕はそれに、答えられない。
喉が焼かれて息が苦しい。
胃が爛れて嫌な感じが込み上げてくる。
激痛に意識が遠退き、激痛で意識が引き戻される。

「あ…ぁ、っは」
「おい、どうした!誰か…治療班を!」
「…っげほ、…っレイ、ム」
「何て言った?大丈夫か!しっかりしろ!」
(いいよォ、ディオ。毒はまわったからァ)

視界が霞む。
ああ。
死ねる。



















「………ぅ」
「起きたかよ」
「…?マ…ライ…く…?」
「喋んなよ、まだ喉治ってねーんだろ」
「……」

ゆらゆらと身体が揺れている。
背負われているからだろう。
視力もまだいまいち戻っていないからぼんやりと霞んだままだ。
喉がいたい。
マカラインくんにはいつも迷惑をかけてしまって申し訳ないなぁ。

「…マカライン」
「よ、ナイト」
「クラウディオは大丈夫なのか」
「大丈夫だろ、いつものことだし」

いつものこと…まぁ、そうなんだけれど。
僕の使い魔の能力の問題点はここかなぁ。
1度使うと僕まで死んでしまうから連続では使えないし、範囲にも限界があるだろうし。
なによりこうして誰かに回収してもらわないといけないし。

「クラウディオ、もう少し眠っておいた方がいい。報告しに行かないといけないんだろう?」

ああ…そうだ。
報告。
しないといけないよね。
…でも僕はあの場所がどうなったのか知らないのだけど。
殲滅、出来たんだろうか。

「…けほ」
「寝ろって、クラウディオ。ナイトの言う通りだぜ」
「ちなみに、クラウディオ。お前の任務はちゃんと達成されてる」

あー…そうなんだぁ…










「…んぅ」
「起きましたか」
「…?あれ、ローザちゃん…?」
「おはようございます」
「あ、うん…おはようございます」
「早速ですが書類を。キジョウ参謀からお預かりしています」
「はい。ありがとう、ローザちゃん」
「…では、私はこれで。任務ご苦労様でした」
「これから…訓練、かな?頑張ってね」
「はい。失礼します」

ぱたん、静かな音を残して彼女が去って、ぼくは書類に目を向ける。
内容はぼくの任務についてで、作戦開始から終了までにかかった時間、どの辺りまで毒が広がっていたか、ぼくが毒を撒いた場所の今の様子なんかが書いてあった。
正直なところぼくの書くところはほとんどない。

「うーん…この几帳面な字と内容…書いたのはメルフィス参謀かな…」

というか、ほぼ間違いなくメルフィス参謀だろう。
だってぼくキジョウ参謀が書類書いてるところなんて見たことがないし想像も出来ないもの。
…仕事をしていないわけでは、もちろん、ないはずなのだけれど。

「あれ…考えれば考えるほど仕事をしているキジョウ参謀が想像できない…」
「なに失礼なこと言ってんだお前は」
「うわぁぁぁ!?」

突然うしろから声をかけられて思わず飛び上がるほど驚いてしまった。
ばくばくと鳴る心臓を押さえてそうっと振り返ると、そこには。
にやにやと笑うキジョウ参謀がいた。

「き…キジョウ参謀…」
「よ。どうだったよ」
「どう、とは?」
「結果。あれくらいの規模なら余裕なんだな、お前の蛇」
「…当然ですよ」

それはそうだ。
僕の使い魔にはそれしか出来ない。
それ以外には必要がない。

「当然、なぁ…お前、これから忙しくなるかもしんねーぜ」
「…うげぇ」

忙しいのは、勘弁してください…

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