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つとみや あかつき
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創作倉庫。 基本的に手ブロ創作企画関係を収納してます。 初めましてのかたはカテゴリ「はじめに」をどうぞ。
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アルコイリスがパレクリに行くまでをちょろりと。
ひくもさん宅ハナさんのお名前、福々さん宅御室有明さま、レイン*さん宅ブランくんとココアちゃん、すなさん(斑さん)宅リズさんお借りしました!








 ――開催のお知らせ。
 わりと大きく掲示してあるポスターには、きらめく氷の宮殿が写っている。スノウボール・ファイト、デギズマン、ダンス。一般参加ももちろん可能。参加条件はドレスコードを守ること。紙面にはそんな字が踊っていた。
「なんだこれ」
 その時はちょうど年末監査の準備をしていて(資料運びの手伝い。ハナさんが引き受けたのを、それじゃあこっちの仕事が進まないので僕が拾った)、紙のみっしり詰まった箱を積み上げていたから横目で見るだけだったけれど、氷の宮殿は物珍しくて記憶に残る。
「イリス、時間ないから急いで。資料まだあるし」
「んー。なぁ、あのポスターなんだろうね?知ってる?」
「パーティのお知らせ」
「なんの?と言うか、いちばん上、あれなんて読むんだい」
「Palais de cristal」
「発音完璧だなぁきみ」
 さらりと答える金の髪の同僚が、苛ついた様子で鼻にしわを寄せている。咬み付く直前の犬みたいだ。くせになると見映えが落ちるから止めたほうがいいな。
「この時期、なにかあったっけ?そういえば街も城のなかも妙に飾り付けが多かったなぁ」
「……本気で言ってる?」
「うん?」
「クリスマスでしょう、もうすぐ」
「くりすます」
 なんだそれは。
 聞き覚えのない――最近の催しものだろうか。そんな気持ちがはっきり態度に出ていたんだろう。
 彼の表情が一気に鼻白む。
 ううんなるほどこれは蔑みの視線。心なしか舌打ちも聞こえたような。
「……って、違う!なんで僕がそんな目で見られないといけないんだよ!」
「なんで知らないんですか何年生きてるんですか」
「その敬語やーめーてー。あのねブラン、僕は基本的に我が民の意識と認識で構成されてたの!そこ以外の文化はあんまり知らないんだよ。あと乙女に年を聞くなよ」
「乙女ぇ?」
 いや、そやんなに語尾を上げなくても。
「乙女だろう、少なくとも見た目は」
「外見だけならね」
「中身は仕方ない!」
「中身も合わせてくれていたらもう少しちゃんと扱ったけどね」
「友人は女子が多いよ!」
「へぇ」
 こっちを見もせずに、はっ、とバカにしたように息を吐く。ていうかこれバカにしてる。くそぅ。
「……いいのかなー、僕をそんなぞんざいに扱ってー」
「良いでしょう、イリスだし」
「……女の子のお友だちが多いってことはー、僕に本性を出すと話の種にされるってことだぞー」
「…………クリスマスっていうのはキリスト教の祝祭日で、降誕祭を意味しているんだけれど、今はそんなに熱心でないキリスト教徒や非クリスチャンでもパーティやイルミネーションで盛り上がったりするんですよ」
「よぉし僕きみのそういう損得に正直なところ嫌いじゃないぞ!」
 なるほどキリスト教か。我が民を――いやまぁ言うまい。
 と。
 寸劇をやっているうちに目的地に着く。
「リッツさーん!」
「リズ監察長」
「おっと失礼。リズさん!第1弾持ってきたよー」
「……ああ、こっちへ。悪いな」
「構わないとも!手伝えるものが手の足りないところを補わないとね」
「そのまま独りで運んでもらえると助かるんですが。私も書類がありますから」
「さすがにそれは駄目だろう」
「え?別にいいよ、場所もわかったし」
「……本人もこう言っていますし」
「……女性ひとりに運ばせると言うのは、男としてはどうかと思うが」
「優しいね!」
「いいですよイリスだから」
「優しくないな!」
 まぁ僕としては彼がいてもいなくても運べる数はそう変わらないし、どっちでもいいんだけれど。
「ああ、でもイリスをひとりにすると女の子に声をかけてなかなか戻らない事態になり得るのか……」
「きみ、僕をなんだと思ってるの」
「軟派」
「酷いな!」
 女の子に挨拶するのは当たり前だし、話しかけたら会話をするのは礼儀じゃないか、まったく。
 あと仕事中にだらだら喋ってはいないぞ!彼女たちの邪魔になるからね!
「まぁ僕がさくさくっと持ってくるよ。早く済ませて戻らないと、ハナさんに心配をかけるしね」
「大丈夫か?」
「ヘーキヘーキ。足早いんだよ、僕」
「走って転ばないでよ」
「きみはとことん僕をバカにしてるなぁ」
 若造め。いや歳は知らないんだけど。





「あ!ねぇ、クリスマスって知ってた!?」
 場所は変わって。
 休日の庭園でティータイム中に(お茶請けはドライフルーツたっぷりのパウンドケーキ。美味!)、ふと思い出して話題に出す。
 ブランがあれほどバカにしてきたってことはかなりメジャーなんだろうな、と予測はつくけれど、ていうかみんなスマートだし普通に知っていそうだけれど、まぁ話の種だ。
 女性と話すのは楽しいよ。なにより朗らかに笑うのがいい。
「ええ、もうすぐね。イルミネーションが綺麗で見ていて楽しいわ」
「うんうん、飾り付けが華やかだよねぇ!」
「魔導師さん主催のパーティ、掲示してありましたよね」
「そう!それだ!!」
「へ?」
 紅茶を置いたココアをびっ、と指す。
「それ、とは?」
 ゆったりと尋ねる御室有明を笑って振り仰ぐ。彼女は座っていてもすらりと背が高い。
「僕もパーティに行ってみたくてね。ところでお嬢さんがた、その日空いていたら僕にエスコートされてくれるかい?」
 ぱちり、ウインクをした。

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