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つとみや あかつき
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1990/11/05
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おんなのこがすきです。
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創作倉庫。 基本的に手ブロ創作企画関係を収納してます。 初めましてのかたはカテゴリ「はじめに」をどうぞ。
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影武者お仕事力くん。
哉ちゃん厘くんちょろりと借りたよ!
中身が壊れたにんぎょうは色っぽいのだということ。
あとモブはきっと拷問される。






 ぴたり、器を傾けた手が止まる。
 にぎやかに華やいだ空気の中でそれは気づかれないほど小さな動きだったが、すぐそばに座る線の細い青年が目敏く顔を上げた。
「どうかいたしましたか」
「…哉、これ。 持っていってんか」
「…はい」
 無造作に渡された鉄瓶を受け取って、するりと彼が座敷を離れる。
 それを横目にとらえたらしい初老の男が、上座に膝を向けた。
「どうかなされましたかな」
「んんー? なんでもあらへんで。 ちィとな、湯冷ましでももろてこよと思て」
「そうでしたかな? いやそれでは、紫陽花のご当主どの、楽しんでいらっしゃいますかな? あまり盃が進んでいらっしゃらないご様子。 ささ、どうぞどうぞ」
 太鼓持ちのような男の言葉に薄らと笑いを浮かべて、まだ年若い赤茶の髪の青年が猪口を差し出す。
 それに男は手にしていた徳利から中身を注いだ。
 ただ青年は乾さずに薄らと笑いを浮かべたままで男を見ている。
「あー…どうかなさいましたかな? ご当主どの。 …星紫陽花どの」
「いやぁ」
 にっこりと笑みを深くした彼が乾さないままの盃をことりと膳の隅に置く。
 ゆっくりと瞬きをした焦げ茶の目元は年に似合わぬ妙な色香があって、男は少し肌が粟立った。
 そこにすいと襖が開いて――
「厘。 どやった?」
「クロだ」
「ほうか」
 言葉少なに交わされた会話の直後に青年の片手が閃く。
 それを認識できないままに、男はぐらりと意識を失った。
「おっと。 ああ、酔わはったんやろか。 あねさん、隣にひと部屋空いてあったな」
「ございます。 ああ、旦那さん、私らがやりますよゥ」
「ええて、かめへん」
 倒れこんできた男の体を軽々支えた青年が部屋を出る。
 去り際に、お開きとちゃうから、まだ飲んでもろて、と女性に声をかけるのも忘れない。
「…やれやれだ」
「やー、真っ黒くろやったなー」
「力、あれ飲んだか?」
「んにゃ、ちょい口つけただけや。 危ないモンやったん?」
「いや」
 致死量には足りねーから、あれくらいなら飲み干しても気分悪くなるだけだろ。
 暗に示すのは細身の青年――哉を経由して渡された鉄瓶の中身。
 それは初めに飲むのをやめた、例の器の中身だったものだ。
 常人であれば気付かず飲んでしまっただろうそれに、わずかに口を付けただけで気付いたのは薬を扱う紫陽花に連なる者の面目躍如といったところだろう。
 もっとも、本物の当主であれば気付いたところで気にせず器を乾しただろうが。
「万がギャーギャー騒いでたぜ。 お前を出す必要ないー、とか言って」
「阿呆やなぁ。 万やったらあの場ァ大揉めに揉めとるとこや」
「かもな」
 くつ、と喉の奥で赤茶の青年が笑う。
 んふ、と鼻に抜けて黒の青年が笑う。
「さて…紫陽花の当主に毒なぞ盛るなァ…どこの差し金で御座ンすかねぇ?」
「身の程知らずが返り討ちに遭うとも知らずにな」

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